メルセデスベンツ190Eが名車たる所以とは…?
2016/08/04
発売から25年以上経っても色褪せない、メルセデスベンツ 190E
何の変哲もない、4ドアセダン。ただ、発売したメーカーが、ダイムラーベンツ社。
この車が発売されるまで、3ナンバーサイズの車がほとんどだった、自動車メーカーが、初めて5ナンバー枠の車を開発しました。
これまで、作ってきた車を凝縮したような、メーカーが各所にこだわって開発した車です。
当時、小型車の3シリーズで大成功をおさめていた、BMWに対抗するように開発されました。
ボディーバリエーションは、4ドアセダンのみで、2000ccから2600ccのガソリンエンジンと、2500ccのディーゼルエンジンがラインナップされていました。
スポーティで軽快なイメージの、BMWに対して、重厚で鈍いイメージの190Eは、都心の奥様の足として、定着していった様に感じます。
子ベンツとも呼ばれましたが、車としてのクオリティーは、今考えても、すごい物があります。
開発に、17年間もかけたサスペンションは、あまり、雑誌などで取り上げたり評価されませんでしたが、実は、4WSの機能を持った、マルチリンクサスペンションだったのです。
ちょっと、オーバースピード気味でコーナーに入っても、車体の姿勢は大きく崩れても、イメージしたラインで曲がって行きます。車体の姿勢が崩れることでドライバーに、これ以上スピードを出すと危険だよと、体感させてくれるが、実は、こででも十分コントロール下に車はあります。
もうダメかもと思っても、タイヤの音も鳴らさずに、曲がってしまいます。随所に、車と人との対話が感じられます。
このような、しっかりした思想で、時間をかけて造り込まれた車は、四半世紀経った今でも、自動車メーカーの開発目標の基準となっている素晴らしい車です。